
あの日、鏡の前でためらった母のために。— Misyが作りたいジュエリー
——母は、ネックレスを外す人だった。
夕食の前、手を洗う前、シャワーを浴びる前。1日に何度も、鏡の前で金具を外し、小さな布の袋にそっとしまう。「また荒れちゃうから」とつぶやきながら。その小さな仕草が、今もずっと、私の記憶に残っています。
肌が、ジュエリーを選ばない時代へ
金属アレルギーは、日本人の約10〜15%が何らかの形で抱えているといわれています。けれど、それを理由にジュエリーを諦める人は、それ以上に多い。「似合うのはわかっているけど、つけたあとのことを考えると気が進まない」——そんな声を、私たちは何度も聞いてきました。
Misyが始まったのは、この問いからでした。肌が弱いことは、美しさを諦める理由にならないはず。
素材から、見直した
多くのブランドが"見た目"でジュエリーを設計するなか、Misyは"素材"から設計し直しました。手術器具にも使われる316Lサージカルステンレス。医療グレードの安定性と、金属アレルギー反応の起きにくさを、デザインの上流に置きました。
水や汗に強く、変色しにくく、つけたまま眠れる——そんな素材が、デザインを自由にしました。「つけたら外す」ではなく、「つけたまま暮らす」へ。日常の動作から、ジュエリーを外す回数を減らしていく設計です。
"凛とした解放型"というブランドの姿勢
Misyのコピーは「肌にやさしく、凛として。」です。アレルギーで悩んできた人に向ける言葉として、同情ではなく宣言を選びました。「かわいそうに」ではなく、「あなたの肌が、選ばれる側。」という姿勢。大人の余裕と、静かな誇りを、ジュエリーという形で届けたいと考えています。
30代の毎日に、無理なく馴染む
Misyが主に届けたいのは、30代の女性です。社会人として時間の使い方を知り、自分に合うものを選べるようになったけれど、「肌に合う」という条件でずっと探し続けていた方々へ。「今日は外そう」と我慢する日を、これ以上つくりたくない。そんな想いで、毎日のワードローブに無理なく馴染むデザインを揃えています。
母に、贈りたかった一本
Misyの最初の企画は、母へのネックレスでした。試作を重ね、ようやく渡せた日、母は鏡の前で、いつものように外そうとして——手を止めました。「このまま、寝ようかな」と言って。その一言が、Misyの方向を決めました。
肌が弱いこと、それ自体はなくなりません。けれど、肌が弱いからジュエリーを諦めるという"あきらめ"は、素材とデザインで、消していける。Misyの全商品は、その信念のもとに生まれています。
大切な誰かへの贈り物として
Misyが母の日や記念日のギフトとして選ばれることが増えました。「金属アレルギーの母にも、安心して贈れる」——そんな声をいただくたび、この仕事を始めてよかったと思います。
あなたの大切な誰かが、鏡の前でためらう人だったなら。Misyが、そっとその背中に寄り添える一本でありますように。

